1. HOME
  2. ブログ
  3. 宇宙
  4. 惑星移住について

BLOG

ブログ

宇宙

惑星移住について

「人類の火星移住」というSFの世界の話が、今や現実化しつつある。 NASAをはじめとする宇宙開発機関をはじめ、スペースXのイーロン・マスク氏の「2024年までに火星に有人宇宙船を送る方針(火星移住計画)」など、民間企業による火星有人探査に向けた計画も進んでいる。

これから 人類は本当に他惑星に住むことはできるのか。
2019年10月ノーベル物理学賞の受賞者マイヨール氏は、AFP通信社の取材にて、人類の惑星間移住の可能性を問われると「系外惑星についての話なら、今日の人類が有する手段では、気の遠くなるような日数がかかるということだ。私たちは地球を大切にしなければならない。とても美しく、今なお居住に最適な星だ」と述べた。

太陽系外の地球と同じような惑星で、地球と同じように生活をするということは難しいことがわかる。一方で、NASAや民間企業により、太陽系内における他惑星移住に関しても研究が進んでいる。

今回の記事は、他惑星移住に関する多くの議題のうち、「なぜ人類は他惑星に移住するのか?」というそもそもの議題と、「他惑星で人類は何を食べるか?」という身近な議題について、NASAの他惑星移住に関する研究内容を踏まえ、ご紹介していきたい。

なぜ人類は他惑星に移住するのか?

この議題にはたくさんの回答があるが、この疑問に回答し、且つ、移住を実現し得るものに「宇宙生物学(Astrobiology)」がある。宇宙生物学とは、地球に限らず、広く宇宙全体での生命体について考察し、生物生存の実態や生物現象のより普遍的な仕組み、「生命の起源」などを明らかにしようとする学問である。そして、宇宙生物学はNASAが1990年代に提唱した学問であり、今もNASAが中心となり研究が進んでいて、生命の起源を明らかにするために、他惑星移住も研究している。よって、この学問がこの議題の回答の一つとなる。

NASAでは、「生命の起源」を宇宙に求めるため、地球外生命の探査や「惑星移住」の技術開発などを行い、太陽系内に生命体を探す計画が正式にスタートする。もちろん、太陽系外の惑星の移住可能な惑星についても研究をしている。2020年9月には、移住可能な24の惑星の候補を発表した。また、このような研究結果から、好奇心や未来のリスクという観点で地球を出て別の惑星に行きたいと想う人が増えてくると考えられる。

他惑星で私たちは何を食べるか?

他惑星にて長期生活を持続するためには、食料確保が不可欠である。食料確保の方法として、地球から食料を大量に輸送することは不可能で、現地の少ないリソースで効率的に食料を生産できることが求められる。
この現地で食料を生産する技術についてもNASAにて研究が進められているので、いくつかご紹介したい。

まずは、「藻」について紹介したい。藻類は水溜りさえあれば育ち、人が必要とする栄養素がすべて含まれる。藻類は宇宙飛行士が吐き出す二酸化炭素を吸収して酸素を供給することができ、増えた藻体は栄養食として食べることができる一石二鳥の材料となる。しかも植物と比べて栽培のためのスペースや資源が少なく済み、育つまでの時間も短いという利点も持っているので、宇宙との相性が抜群に良いのである。

次に、「VEGGIE」についてご紹介したい。「VEGGIE」はNASAの野菜栽培実験プロジェクトである。2015年8月には、新鮮なレタスを栽培することに成功した。

最後に火星における食料生産に関する環境状況についてご紹介する。環境状況としては、現在までの調査で豊富な水が存在していると考えられている。なお、火星の大地には、人間にとって有毒な物質が含むレゴリス(固体の岩石の表面をおおう軟らかい堆積層)が堆積しているということがわかっている。ただし、研究が進めば、将来、生物学者が火星の土壌の毒性を排除することも可能と考えられる。さらには、植物栽培を簡素化することができる新しいタイプの微生物をつくり出すことも可能と考えられる。

他惑星での生活では、限りある食料や資源、閉鎖隔離空間での心身の健康問題、厳しい暮らしの課題に向き合い続けていく必要がある。その研究の蓄積のうえには、宇宙での暮らしと地球の暮らしを進化させる食のソリューションも期待される。

最後に

いよいよ現実味を帯びてきた宇宙での暮らしと惑星移住の時代において、最後のフロンティアと言われる宇宙ビジネス分野には、多くの企業にビジネスチャンスが広がっている。このビジネスチャンスは、必ずしもコスト的に難易度の高い分野だけでなく、地球上の日常生活の中からヒントを見つけ、宇宙での生活を想像することにより、新たな宇宙ビジネスの創出があるかもしれない。

今回の宇宙関連シリーズの記事は、「宇宙開発と宇宙服」「衛星画像のAIによる自動解析の活用について」「IOT×AIを活用した宇宙ステーションの予知保全」と続き、今回の「惑星移住について」までで一旦完了となります。最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。次回の記事内容については検討中でして、また宇宙関連になる可能性もございます。どうぞお楽しみにお待ちください。

 
 
 
 
 
 
  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事